
こんにちは。HEADのグラビティ ツアー(GRAVITY TOUR 2025)を打ってみたところ、98平方インチとは思えないパワーがあり驚いたコマタロウです。本記事では、実際に打った感想をまとめます。
アレクサンダー・ズベレフ選手やアンドレイ・ルブレフ選手が使うグラビティシリーズのうち、フェイスが98平方インチのモデルです。
ストリングはヨネックスのPOLYTOUR FORCE を46ポンドで張った状態で打っています。
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結論:98平方インチとは思えないパワー
- 反発系のポリを張っても柔らかい打感
- 98平方インチでもラケット自体にパワーがある
- ストローク・ボレー・サーブのどれも扱いやすい
- スイング時の独特の風切り音
スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| フェイス面積 | 98平方インチ |
| 重量 | 305g |
| バランス | 320mm |
| フレーム厚 | 22.0mm |
| ストリングパターン | 16×19 |
| フレックス(RA) | 59 |
グラビティはしずく型(ティアドロップ)のフレームが特徴で、HEADの中ではSPEED(オールラウンド)やEXTREME(スピン)に対し、面の安定感とコントロールを重視したシリーズです。ツアーはその中の98平方インチ・305gで、競技寄りのモデルにあたります。
2025年モデルでは、フレーム上部を広めに覆うハーフキャップのグロメットを採用し、ヨークとグリップにはAuxetic 2.0が入っています。Auxeticはインパクトの強さに合わせてミクロ単位で伸び縮みする構造で、ボールを掴む感触をそのまま手に伝えてくれます。フレームは根元から先端まで22.0mmで一定の厚みです。
フレームの硬さを示すRA値は59です。同じクラスのラケットの中では低い方です。
打感は柔らかくボールが乗る感覚
まず感じたのは打感の柔らかさです。フレーム厚は22.0mmと薄めですが、ボールが潰れて乗る感覚があります。
今回張っていたのはヨネックスのPOLYTOUR FORCEです。ヨネックスのポリの中では反発が強い方で、柔らかさを売りにしたストリングではありません。それを46ポンドで張った状態でも柔らかく感じたので、ラケット自体の特徴だと思います。
RA59という数字の通り、フレーム自体がしなって衝撃を吸収するので、硬めのポリと組み合わせてちょうど良い打球感になりました。
98平方インチとは思えないストロークのパワー
いちばん意外だったのがパワーです。98平方インチにしては、ラケット自体がしっかりボールを飛ばしてくれます。
フェイスが小さめのモデルとしては珍しく、頑張って振らなくてもラケットの反発で飛んでくれます。振った分に、プラスでパワーが乗る感じです。
理由の一つがストリングパターンです。ティアドロップのフレームは上に行くほど横に広がるので、スイートスポット付近のストリングの間隔が広くなります。同じ16×19でも、一般的なフレームより一本一本がよく動きます。これがパワーとスピンの両方につながっています。
コントロール系の98平方インチで、もっとパワーが欲しい方は一度試してみても良いと思います。
弾道は思ったより高め
打っていて気づいたのが弾道の高さです。コントロール系の98平方インチという見た目から想像するより、ボールがネットの上を高く通ります。ストリングの間隔が広いラケットは打ち出し角が高くなるので、その影響だと思います。
これは良し悪しがあります。ネットミスが減って、深く重い球が打ちやすい一方で、振り切れなかったときにボールが浮きます。差し込まれた場面や、体勢を崩しながら合わせにいった場面では、想定より深く飛んでアウトになることがありました。
しっかり振り切ると気持ち良く打てますが、当てて返すとボールが浮きやすくなります。
振り切ったときにかかるスピン
スピンも同じで、しっかり振ったときによくかかります。ストリングがボールに食い込む感触があり、スピンで飛びをコントロールできます。
一方で、軽く振って高い弾道のスピンを作るのは得意ではありません。ティアドロップは先端側が重いので、手首から先でラケットを走らせてボールを擦り上げる動きだと、少し重さを感じます。ワイパー気味に薄く当てるより、後ろから前にしっかり振り抜く方が結果が出ます。
ぐりぐり回転をかけて高い軌道で繋ぐスタイルを想定しているなら、同じHEADでもEXTREMEの方が合います。
ボレーは面が安定していて打ちやすい
ボレーも扱いやすかったです。面が安定していて、当てただけでも深さが出ます。しずく型のフレームは先端側のスイートスポットが広いので、ラケットの上のほうで当たっても失速しませんでした。
ドロップボレーやアングルも打ちやすく、ストリング面にボールが乗っている時間が長いぶん、止める・落とすがやりやすいラケットです。走らされて詰まった位置から返す場面でも、手に返ってくる情報がはっきりしていました。
唯一気になるとすれば、バックボレーのように面を作る時間が短い場面です。先端側が重いぶん、間に合わなかったときのブレはフォア側より出ます。ここは体の前で捉えられるかどうかで印象が変わりそうです。
サーブは振り抜きの軽さとスピード
サーブも良い感触でした。305gという重量が振り抜きの邪魔になることはなく、しっかりスピードが出ます。
フラットで押していけるのはもちろん、スライスとキックも曲がります。ストリングの間隔が広いので、回転系のサーブで持ち上げたときに素直に跳ねてくれます。98平方インチのコントロール系ラケットは「入るけれど威力が落ちる」ことがありますが、このラケットはその我慢が要りませんでした。
リターンでも面が安定しているので、ブロック気味に当てても失速せず、相手のコートまで届きます。スライスで低く返すのもやりやすかったです。
スイングスピードを上げると鳴る独特の風切り音
このラケットで印象に残ったのが音です。スイングすると、他のラケットでは聞かない風切り音がします。
面白いのは、いつでも鳴るわけではないことです。スイングスピードを上げるとはっきり鳴り、フラットに振り抜くとさらによく鳴ります。下から擦り上げるトップスピンの動きではあまり鳴りません。スイング中のラケットの向きで空気の抜け方が変わるのだと思います。
グラビティの2025年モデルは、フレーム上部を広めに覆うハーフキャップのグロメットを採用しているため、この独特な音が鳴っていると思います。プレステージも独特のグロメットを持つシリーズですが、それとも違う音です。
好みが分かれる部分だと思います。実際に振って、音も確かめてみてください。
EZONE 98との違い
同じ98平方インチの、ヨネックスのEZONE 98と比べると、打感と弾道がはっきり違いました。
| 項目 | グラビティ ツアー | EZONE 98 |
|---|---|---|
| 重量 | 305g | 305g |
| フレーム厚 | 22.0mm | 23.8-24.5-19.5mm |
| パターン | 16×19 | 16×19 |
| 打感 | 柔らかい | 弾きが強い |
| 弾道 | 高め | 低め |
| シリーズの立ち位置 | コントロールと面の安定 | パワー |
EZONE 98はフレームが厚く、弾いて飛ばすタイプです。グラビティ ツアーは薄いフレームで球持ちが長く、そのうえでパワーも出るラケットでした。
いちばん違いが出るのは弾道です。EZONE 98は弾道が上がりません。低い軌道でフラットドライブを打ち込んでいくラケットで、ネットすれすれを走らせる球が持ち味です。グラビティ ツアーはその逆で、ネットの上を高めに通しながら、スピンで落として深さを作ります。
同じ重さ・同じパターンでも、得意な弾道がまったく違います。低く速い球を打ち込みたいならEZONE 98、少し弾道を上げて深く重い球を打ちたいならグラビティ ツアーという選び方ができます。
グラビティの中での位置づけ
グラビティの主なモデルは4本です。
| モデル | フェイス | 重量 | パターン | フレーム厚 |
|---|---|---|---|---|
| グラビティ プロ | 100平方インチ | 315g | 18×20 | 20.0mm |
| グラビティ ツアー | 98平方インチ | 305g | 16×19 | 22.0mm |
| グラビティ MP | 100平方インチ | 295g | 16×20 | 22.0mm |
| グラビティ MP L | 100平方インチ | 280g | 16×20 | 22.0mm |
ツアーだけがフェイス98平方インチで、16×19です。他の3本は100平方インチで、MPとMP Lが16×20、プロが18×20です。
プロは18×20でストリングが密なうえ、フレーム厚も20.0mmと薄いので、狙ったところに置く性能ではこちらが上です。そのぶん自分でスピードを出す必要があります。ツアーは16×19でパワーとスピンが出るぶん、プロほどの精密さはありません。プロよりパワーとスピンが欲しい方にはツアーがピッタリです。
100平方インチのMPと比べると、ツアーは取り回しが軽いです。グラビティの100系は先端まで面がある代わりにスイングが重く感じますが、ツアーはその重さがありません。98平方インチのモデルとしては、フェイスの小ささを感じませんでした。MPとMP Lはフェイスもパターンも同じで、主な違いは重量です。
ブレード98との比較
ウイルソンのブレード98 16×19は、Ultra(パワー)やClash(しなり)に対して、コントロールと球持ちを重視したモデルです。買い替えの候補として並ぶことが多いので、グラビティ ツアーとの違いも書いておきます。
ブレードは薄いフレームの98平方インチとしてはスイートスポットが広く、安定して返球しやすいラケットです。グラビティ ツアーは、それより少し厳しめです。ティアドロップのフレームは振り方に慣れが要りますし、しっかり振らないと弾道が浮きます。
その代わり、振り切ったときのパワーとスピンはツアーの方が出ます。手に返ってくる情報も多く、自分がどう当てたのかが分かります。ブレードは安定して返球しやすく、グラビティ ツアーはしっかり振ったときにパワーとスピンが出ます。
こんな方にピッタリ
- コントロール系の98を使いたいが、飛びも欲しい方
- フルスイングでスピンをかけて、深く重い球を打ちたい方
- 柔らかい打感が好きな方
- ストロークもネットプレーもバランスよくこなしたい方
低く速いフラットドライブを打ち込みたい方にはEZONE 98、高い弾道のスピンで繋ぎたい方にはHEADのEXTREMEもおすすめです。
使用している選手
グラビティを使う代表的な選手がアレクサンダー・ズベレフ選手です。ただし実機は旧モデルのツアー(100平方インチ)のモールドをベースにした特注品で、市販モデルとは中身が異なります。アンドレイ・ルブレフ選手もグラビティを使っています。
2026年8月28日には、ズベレフ選手の名前を冠した数量限定カラーも発売されました。片面ゴールド・片面パープルのデザインで、中身は市販モデルと同じです。
まとめ
- グラビティ ツアーは98平方インチ・305g・フレーム厚22.0mmのモデルです。
- 打感は柔らかく、反発系のポリを46ポンドで張っても硬さは感じませんでした。
- 98平方インチとしてはラケット自体にパワーがあります。
- 弾道は思ったより上がります。振り切れば深く重い球になりますが、当てて返すと浮きます。
- ボレーもサーブも扱いやすく、苦手な場面が見当たりませんでした。
- スイングすると独特の風切り音がします。
コントロール系の98平方インチを探していて、飛びも欲しい方にピッタリです。グラビティにはプロ、ツアー、MP、MP Lとスペック展開があるので、重さやストリングパターンで選べます。気になった方は、ぜひ一度打ってみてください。








