伊藤あおい|スライス主体の脱力テニス・握力12kg・使用ラケット

こんにちは。スライスを主体にした脱力テニスで、2025年のモントリオール(WTA1000)では当時世界9位のパオリーニ選手を破った、日本の伊藤あおい選手。本記事では、基本プロフィール、「へにょへにょテニス」と呼ばれるプレースタイル、主な戦績、ジャパンオープン女子と東レ パン パシフィック オープンでの試合、使用しているラケットとストリングを紹介します。

東京・有明で開かれる東レ パン パシフィック オープン(WTA500)には予選のワイルドカードで出場しましたが、10月24日の予選1回戦で第2シードのビレル選手に敗れました。

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伊藤あおい選手の3行まとめ

  • 名古屋出身の22歳、身長167cm/自己最高82位/コーチは父の時義氏
  • スライス主体の脱力テニス、握力は12kg/2025年のモントリオールでパオリーニを破って3回戦進出
  • ラケットはダンロップのCX400 TOUR/ストリングはポリとナイロンのハイブリッド

伊藤あおいのプロフィール

項目 内容
名前 伊藤あおい(いとう あおい/Aoi Ito)
生年月日 2004年5月21日(22歳)
出身 愛知県名古屋市
出身校 代々木高校
身長 167cm
利き手 右利き
コーチ 父の伊藤時義氏
所属 SBCメディカルグループ
世界ランキング 314位(2026年10月19日付)
自己最高 82位(2025年8月)

家族テニスが原点、全国中学生大会で優勝

テニスの始まりは週末の家族テニスでした。4歳上の姉のさつきさんが先に始め、伊藤選手も小学校低学年のころに名古屋のチェリーテニスクラブに通い始めました。本人は「姉がやっていたし、テニス以外の道を知らないので続けていた感じです」と話しています。

ジュニア時代の成績は目立たず、本人は「私はジュニアの頃、ザコでした」と振り返っています。小学校も中学校もほぼ休まずに通い、大人の大会に出るのは年に2大会ほどでした。それでも2019年の全国中学生大会では、決勝で石井さやか選手を破って優勝しています。2021年からITFの大会に出始め、2022年4月にプロになりました。記者会見は開かず、本人の言葉では「誰にも知られずひっそりプロ登録」したそうです。

コーチは父の時義氏で、ツアーにも帯同しています。ツアーには母のさや夏さんも帯同し、食事など生活面を支えています。伊藤選手は日本では市営コートで練習しています。趣味はイラスト、オセロ、麻雀で、推理小説をよく読みます。

プレースタイルはスライスを軸にした脱力テニス|握力12kg

伊藤選手の代名詞はフォアハンドのスライスです。棒立ちに近い姿勢からラケットを上から下に振り下ろし、ボールを薄く切るように打ちます。バウンドのあとに低く滑るスライスで、相手のミスを誘います。伊藤選手は、そこにネットへの詰めや緩急、コースの変化を混ぜて、力に頼らずに相手を崩す技巧派です。本人はこのテニスを「へにょへにょテニス」と呼んでいます。

握力は12kgしかありません。それでも筋トレで補おうとはせず、「筋トレやるぐらいだったら、引退選んでます」と言い切っています。スライスを打つ理由は「普通のフォアハンドが本当にひどいレベルで。言い方悪いですけど“カスい”ので、スライスでも使わないと普通に一方的に打たれて終わっちゃうので、ミスってくれることを期待しながら、スライス打ってます」と話しています。

相手が嫌がるプレーも意識しています。2024年のジャパンオープン女子の記者会見では「それがないと私じゃないので、全力で嫌がらせだけはしていこうかなって思っています」「もし負けたとしても、相手の嫌な心に残るプレーを心がけています」と話しました。ポイント間に感情を出さず、間を置かずに次のポイントへ進むのも、自分のリズムに相手を巻き込むためです。

このプレースタイルを考えたのは父の時義氏です。目指すプレースタイルを聞かれた伊藤選手は「伊達公子さんと、謝淑薇(シエ・スーウェイ)さんを足したテニス」と答えています。時義氏は「伊達さんは、あの小柄な体で世界の4位まで行けることを証明した。あんなにいいお手本を見習わない手はないじゃないですか」と語っています。

ほかの選手も注目しています。大坂なおみ選手は「私には絶対にできない」と話し、西岡良仁選手は2024年のジャパンオープン女子でのプレーを見て「このプレースタイルのままやり抜いてほしい」と投稿しました。錦織圭さんも「あのテニスがどこまで通用するのか、見てみたいですね」と語っています。

主な戦績|2025年のモントリオールでパオリーニを破って3回戦進出、自己最高82位

2025年は年初のカンベラで優勝、ウィンブルドンで四大大会の本戦デビュー

2025年は年初のカンベラ(WTA125)で優勝し、決勝ではウェイ・シージャ選手を6-4, 6-3で破りました。その後はドーハ、ドバイ、マイアミ(いずれもWTA1000)で予選を勝ち上がり、5月には世界101位まで上がっています。4月に有明で開かれたビリー・ジーン・キング・カップのファイナル予選では、日本代表に初めて選ばれました。

6月のウィンブルドンでは欠場者が出たため本戦に入り、四大大会の本戦デビューを果たしました。ウィンブルドンの1回戦ではラヒモワ選手に7-5, 3-6, 2-6で敗れています。

2025年のモントリオールで世界9位のパオリーニからトップ10初勝利

2025年7月のモントリオール(WTA1000)では、予選を勝ち上がって本戦に入り、1回戦でボリネッツ選手に6-2, 2-6, 6-2で勝ちました。モントリオールの2回戦では当時世界9位のパオリーニ選手を2-6, 7-5, 7-6(5)で破り、トップ10の選手から初めて勝利を挙げました。第1セットを落とし、第2セットも1-4とリードされてからの逆転で、4-5ではマッチポイントもしのいでいます。試合後には「最初はボロ負けしないようにと思って。4ゲームは取りたいと思っていました」と話しています。モントリオールの3回戦ではブザス・マネイロ選手に6-4, 5-7, 3-6で敗れました。

続くシンシナティ(WTA1000)でも予選から3回戦まで進み、3回戦でキーズ選手に4-6, 0-6で敗れました。この2大会の結果、8月18日付で自己最高の82位になりました。全米オープンは予選決勝でチェン選手に1-6, 2-6で敗れ、本戦には入れませんでした。

2026年は四大大会の本戦で未勝利、順位は314位

2025年の全米オープンのあとは腰のけがで離脱し、全豪オープンも欠場しました。2026年は3月のITF大会で約半年ぶりに復帰しています。全仏オープンは予選2回戦でサン選手に3-6, 3-6で敗れ、本戦には届きませんでした。ウィンブルドンでは1回戦でヤストレムスカ選手と最終セット5-7まで競りましたが、6-7(1), 6-4, 5-7で敗れました。全米オープンも1回戦でセレフメテワ選手に2-6, 4-6で敗れています。

10月の武漢(WTA1000)では予選でパークス選手に6-4, 6-1、フレフ選手に7-6(3), 6-4で勝って本戦に入りましたが、1回戦でチェン選手に3-6, 1-6で敗れました。2025年8月の82位から順位は下がり、2026年10月19日付では314位です。

国内の大会|2024年のジャパンオープン女子で予選からベスト4

伊藤選手の名前が広く知られたのは、2024年10月の大阪のジャパンオープン女子(WTA250)です。2024年は予選から勝ち上がり、1回戦で元世界4位のケニン選手に6-2, 3-6, 7-5で勝ちました。2024年の2回戦では第8シードのコッチャレット選手に6-4, 6-3、準々決勝ではリス選手に6-7(8), 6-2, 6-3で勝って、ツアーの大会で初めてのベスト4に進んでいます。2024年の準決勝ではビレル選手に4-6, 3-6で敗れました。

ジャパンオープン女子は、2025年はけがのため欠場し、2026年は予選2回戦でダート選手にフルセットで敗れています。

東レ パン パシフィック オープン2026は予選1回戦でビレルに敗退

東京・有明の東レ パン パシフィック オープンには、2026年に予選のワイルドカードで出場しました。10月24日の予選1回戦の相手は第2シードのビレル選手で、2024年のジャパンオープン女子の準決勝で敗れた相手との再戦でした。第1セットは4-4まで競りましたが、そこから崩れてストレートで敗れています。

使用ラケットはダンロップ CX400 TOUR

ラケットはダンロップのCX400 TOUR(シーエックス400 ツアー)です。ジュニア時代からダンロップの用具の支援を受けていて、小学校高学年のころからCXシリーズを使っています。それまでは姉のお下がりのラケットでした。

CXはダンロップのコントロール系のシリーズです。CX400 TOURは100平方インチで300gと、CXシリーズの中では面が大きくパワーも出しやすいモデルで、コントロールを保ちながら楽に飛ばしたい方にピッタリです。コントロールを突き詰めたい方は、98平方インチで305g、フレーム厚21.5mmのCX200も一度試してみても良いと思います。ダンロップは2026年10月23日に新しいCXシリーズを発表していて、そこにもCX400 TOURとCX200が並んでいます。

CX400 TOURのスペック

重さ 300g
ヘッドサイズ 100平方インチ
バランス 320mm
フレーム厚 23.0mm
ストリングパターン 16×19

ストリングはポリとナイロンのハイブリッド

ストリングは縦にポリエステル、横にナイロンを張るハイブリッドです。プロでは珍しい組み合わせで、硬くて伸びにくいポリで球筋を安定させつつ、柔らかいナイロンでボールの飛びを補っています。張るのは父の時義氏です。伊藤選手は「私、あんまりガットに詳しくなくて」と話していて、選ぶ基準は「色です」。縦が黄色と黒、横が白の組み合わせを気に入っているそうです。2025年1月の時点では、ダンロップのエクスプロッシブ・バイトとアイコニック・スピードの組み合わせで、ウエアとバッグもダンロップでした。

まとめ

  • 伊藤あおい選手は愛知県名古屋市出身の22歳で、身長は167cmです。コーチは父の時義氏です。
  • スライスを主体にした脱力テニスが持ち味で、握力は12kgです。本人は「へにょへにょテニス」と呼んでいます。
  • 2024年のジャパンオープン女子で予選からベスト4に進み、2025年のモントリオールでは当時世界9位のパオリーニ選手を破りました。
  • 自己最高は2025年8月の82位で、2026年10月19日付では314位です。
  • 東レ パン パシフィック オープン2026は予選のワイルドカードで出場し、予選1回戦でビレル選手に敗れました。
  • ラケットはダンロップのCX400 TOUR、ストリングはポリとナイロンのハイブリッドです。

力で押さない「へにょへにょテニス」がどこまで通用するのか注目です。有明での試合も楽しみですね。

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