
こんにちは。2023年の上海マスターズで優勝し、自己最高は世界6位のポーランドのフベルト・フルカチ選手。本記事では、基本プロフィール、主な戦績、ひざの手術からの復帰、日本人選手との対戦、使用しているラケットやシューズを紹介します。
10月7日からの上海マスターズでは、1回戦でダックワース選手を6-3, 7-6(4)で破り、2回戦では大会4度の優勝を誇るジョコビッチ選手に6-4, 6-3で勝って、9度目の対戦で初めて勝ちました。3回戦はチョウ・イー選手と対戦します。
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フルカチ選手の3行まとめ
- ポーランド・ヴロツワフ出身の29歳/自己最高6位(2024年8月)/ツアー8勝
- マスターズ1000は2021年のマイアミと2023年の上海で優勝/2021年のウィンブルドンでフェデラーさんを破ってベスト4
- ラケットはウイルソンのBLADE 98 16×19、ストリングはルキシロンの4Gとナチュラルガットのハイブリッド、シューズはアディダスのADIZERO UBERSONIC 5
フルカチのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | フベルト・フルカチ Hubert Hurkacz |
| 生年月日 | 1997年2月11日(29歳) |
| 出身 | ポーランド・ヴロツワフ |
| 身長 | 196cm |
| 利き手 | 右利き・両手バックハンド |
| プロ転向 | 2015年 |
| 世界ランキング | 34位(2026年10月5日付) |
| 自己最高 | 6位(2024年8月5日付) |
| ツアー優勝 | 8回 |
| コーチ | ジル・セルバラ |
スポーツ一家の出身です。母のゾフィアさんはポーランドのジュニア王者だったテニス選手で、叔父もプロのテニス選手、祖父はバレーボールの国際試合に出ていました。10歳下の妹のニカさんもテニスをしています。5歳でテニスを始めたのは、母の影響です。
愛称は「フビ」。子どものころはフェデラーさんに憧れてテニスを見ていました。食事はビーガンで、読書やバスケットボール、速い車が好きです。
コーチは2019年から2024年までクレイグ・ボイントン氏が務め、2024年11月からはニコラス・マスーさんがコーチになり、イワン・レンドルさんがアドバイザーとして加わりました。2026年4月からは、メドベージェフ選手を長く指導したジル・セルバラ氏がコーチです。
主な戦績|ポーランド男子初のマスターズ1000優勝、通算2勝
2021年はマイアミでマスターズ初優勝、ウィンブルドンでベスト4
2019年のウィンストンセーラム(ATP250)でツアー初優勝を果たしました。決勝ではペール選手を6-3, 3-6, 6-3で破っています。
飛躍の年は2021年です。1月のデルレイビーチ(ATP250)で優勝すると、3月のマイアミ(マスターズ1000)では準々決勝でチチパス選手、準決勝でルブレフ選手を破って決勝に進み、シナー選手を7-6(4), 6-4で下して優勝しました。ポーランドの男子選手として初めてのマスターズ1000のタイトルです。
7月のウィンブルドンでは、4回戦で第2シードのメドベージェフ選手に2-6, 7-6(2), 3-6, 6-3, 6-3で逆転勝ちし、準々決勝ではフェデラーさんに6-3, 7-6(4), 6-0で勝ちました。これがフェデラーさんにとって最後のウィンブルドンの試合になりました。準決勝ではベレッティーニ選手に3-6, 0-6, 7-6(3), 4-6で敗れましたが、ポーランド男子では2013年のヤノビッチさん以来2人目の四大大会ベスト4でした。
9月のメス(ATP250)でも優勝してこの年3勝を挙げ、11月のATPファイナルズに初めて出場しました。グループリーグはズベレフ選手、シナー選手、メドベージェフ選手に敗れて3戦全敗でした。
2022年はハレで優勝、2023年は上海マスターズでマスターズ1000通算2勝目
2022年6月の芝のハレ(ATP500)では、決勝で当時世界1位のメドベージェフ選手を6-1, 6-4で破って優勝しました。8月のモントリオール(マスターズ1000)でも決勝に進み、カレーニョ・ブスタ選手に敗れて準優勝です。
2023年は2月のマルセイユ(ATP250)で優勝し、10月の上海マスターズでは決勝でルブレフ選手を6-3, 3-6, 7-6(8)で破りました。最終セットのタイブレークでは5-6と相手にチャンピオンシップポイントを握られましたが、そこをしのいでマスターズ1000で2度目の優勝を果たしました。
2024年は自己最高の6位、ウィンブルドンでひざを負傷
2024年は全豪オープンで初めてベスト8に進み、準々決勝でメドベージェフ選手に6-7(4), 6-2, 3-6, 7-5, 4-6のフルセットで敗れました。4月のエストリル(ATP250)ではクレーで初めて優勝し、6月のハレ(ATP500)では決勝で世界1位になったばかりのシナー選手に6-7(8), 6-7(2)と、2つのタイブレークを落として準優勝でした。
ウィンブルドンの2回戦では、フィス選手との試合中に転んでひざを痛め、第4セットの途中で棄権しました。ひざの治療でパリ五輪は欠場しましたが、8月5日付で自己最高の世界6位に上がり、8月のモントリオール(マスターズ1000)で復帰してベスト8に進んでいます。
2025年はひざの手術で7か月の離脱
2025年は5月のジュネーブ(ATP250)で決勝に進み、ジョコビッチ選手に7-5, 6-7(2), 6-7(2)で敗れました。ジョコビッチ選手にとってツアー通算100個目のタイトルになった試合です。
6月のスヘルトーヘンボス(ATP250)を最後に実戦を離れ、ひざの痛みと腫れが続いたため、7月3日にひざの関節鏡手術を受けたと発表しました。発表の中では、こう話しています。
Over the past few weeks, I've been dealing with knee issues, such as pain, fluid build-up, and other problems that made it hard to train and compete. I'm now starting my recovery and will only come back when I'm 110% ready to compete again.
(ここ数週間、痛みや水がたまるなど、ひざの問題で練習も試合も難しくなっていました。これからリハビリを始めて、110%の状態で戦えるようになってから戻ります。)
復帰までは7か月かかり、年末の順位は72位まで落ちました。
2026年はユナイテッドカップでポーランドの初優勝に貢献、夏からランキング回復
復帰戦は2026年1月のユナイテッドカップでした。その初戦でズベレフ選手に勝ち、決勝ではバブリンカ選手を6-3, 3-6, 6-3で破ってポーランドの初優勝に貢献しました。2024年と2025年はどちらも決勝で敗れていて、3度目の決勝で手にしたタイトルです。優勝後にはこう話しています。
To win that trophy, it tastes incredible. I think it's really unique and amazing we showed how strong we are as a Polish country in tennis.
(このトロフィーを取れたのは最高の気分です。ポーランドがテニスでこれだけ強いと示せたのは、本当に特別なことだと思います。)
ただし、そこからは苦しみました。全豪オープンの2回戦から7連敗し、3月末にマスーさんとのコーチ契約を解消しました。4月にはセルバラ氏を迎えています。全仏オープンでは2回戦でティアフォー選手にフルセットで敗れ、6月15日付では103位と、2018年9月以来のトップ100外まで落ちました。
ウィンブルドンでは1回戦でルード選手、2回戦でオフナー選手、3回戦でポール選手を破って4回戦に進みました。シュトルフ選手との4回戦は2セットを先取しながら追いつかれ、第5セットの2-4の場面で腹筋を痛めて棄権しています。
流れが変わったのは夏です。8月のカンクン(チャレンジャー)で優勝し、9月の成都(ATP250)では決勝でダビドビッチ・フォキナ選手に4-6, 6-7(7)で敗れて準優勝に終わりました。続く北京(ATP500)ではティエン選手、ハチャノフ選手を破ってベスト4に進みました。準決勝はデミノー選手に4-6, 2-3の場面で内転筋を痛めて棄権しましたが、順位は10月5日付で34位まで戻っています。
日本とのつながり|錦織に2勝、ジャパンオープンに2度出場
フルカチ選手は、錦織圭選手と2019年に2度対戦し、どちらも勝っています。2月のドバイ(ATP500)2回戦では7-5, 5-7, 6-2、3月のインディアンウェルズ(マスターズ1000)3回戦では4-6, 6-4, 6-3の逆転勝ちでした。インディアンウェルズではそのまま準々決勝まで進み、フェデラーさんに敗れています。
2021年の東京五輪にも出場し、1回戦でサビル選手に勝ったあと、2回戦でブロディ選手に5-7, 6-3, 3-6で敗れました。2023年のジャパンオープン(ATP500)では、1回戦で張之臻選手に6-3, 4-6, 6-7(4)で敗れました。2024年のジャパンオープンにも出場し、1回戦でジロン選手に勝ったあと、2回戦でドレイパー選手に4-6, 4-6で敗れています。
2026年8月のシンシナティ(マスターズ1000)では、1回戦で島袋将選手に6-2, 6-4で勝ちました。
プレースタイルはビッグサーブを軸にしたオールラウンドなテニス
196cmの長身から打つサーブが最大の武器で、最速は243km/hを記録しています。上海マスターズの1回戦では19本のエースを決めています。
本人はクレーで育ったのでオールラウンドな技術があると話していて、ベースラインで打ち合うだけでなく、サーブ&ボレーで積極的にネットにも出ます。芝のウィンブルドンではダイビングボレーも見せていて、長身の割にフットワークも軽快な選手です。
使用ラケットはウイルソン BLADE 98 16×19
フルカチ選手が使っているのは、ウイルソンのBLADE 98 16×19です。2024年まではヨネックスと契約していて、2023年の上海マスターズでは、当時の新作だったPERCEPT 97を使って優勝しました。2025年1月にウイルソンと契約し、BLADE 98 16×19に持ち替えています。契約時のモデルは第9世代(V9)で、現行モデルはV10です。
契約の発表では、こう話しています。
After extensive testing, I am excited to elevate my game with the Blade v9 racket.
(じっくりテストした上で、Blade v9で自分のテニスをさらに高められることを楽しみにしています。)
BLADE 98 16×19 V10のスペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| フェイス面積 | 98平方インチ |
| 重量 | 305g |
| バランス | 320mm |
| フレーム厚 | 21.5-20.5mm |
| ストリングパターン | 16×19 |
スペックは市販モデルの数値です。ブレードはウイルソンの中でコントロール系にあたるシリーズです。パワー重視のウルトラ、しなりの強いクラッシュに対して、ブレードは球持ちが良く、コントロールしやすいシリーズです。同じブレード98でもストリングパターンは16×19と18×20の2種類があり、フルカチ選手が選んでいるのは、スピンがかかりやすい16×19です。
ヨネックス時代の実機は、ガットを張っていない状態で360g近い重さに仕上げていました。市販モデルよりかなり重くしていました。
同じBLADEシリーズは、アンベール選手やサバレンカ選手も使っています。ウイルソンを使うほかの選手は、シリーズ別にまとめた記事で紹介しています。
ストリングはルキシロン 4Gとナチュラルガットのハイブリッド
ストリングは、縦にルキシロンのポリエステル4G、横にナチュラルガットを張ったハイブリッドです。4Gはテンションが落ちにくく、コントロールしやすいストリングで、ナチュラルガットと組み合わせることで、ポリのコントロールとナチュラルの柔らかさの良いとこどりができます。
シューズとウェアはアディダス
ウイルソンへの移籍と同時に、ウェアとシューズもヨネックスからアディダスに替えました。シューズはADIZERO UBERSONIC 5です。アディダスの中では、安定感重視のBARRICADEに対して軽さと素早い動き出しを重視したモデルで、サーブ後にすぐ前へ出るフルカチ選手のプレーに合っています。
上海マスターズ2026はジョコビッチに初勝利、3回戦へ
2023年に優勝して以来3年ぶりに出場した上海マスターズでは、1回戦でダックワース選手に6-3, 7-6(4)で勝ちました。19本のエースを決めて、81分での勝利です。2回戦の相手は、大会4度の優勝を誇るジョコビッチ選手でした。フルカチ選手は過去8度の対戦で一度も勝てていませんでしたが、1回戦のあとのインタビューで次戦に向けてこう話していました。
It's going to be a fun challenge. It's on my list to play some good tennis against him and get a win. He's got a few of them already… I need to serve well, play well from the baseline and return well.
(楽しみな挑戦になるよ。彼を相手にいいテニスをして勝つことは、やりたいことのリストに入っている。向こうはもう何回も勝っているけどね。サーブを良くして、ベースラインからいいプレーをして、リターンも良くしないと。)
北京で痛めた内転筋については「回復に時間をかけて、この大会のためにエネルギーを戻した。ここでプレーするのが本当に好きなんだ」と話していました。
上海マスターズ2026の10月9日の2回戦で、フルカチ選手がジョコビッチ選手に6-4, 6-3で勝ちました。試合時間は87分で、ファーストサーブが入ったときのポイントは44本中36本を取っています。ハードコートでフェデラーさん、ナダルさん、ジョコビッチ選手の3人すべてに勝った4人目の選手になりました。試合後のインタビューでは、こう話しています。
It's a special night. I've been playing Novak for like seven years, so it's been unsuccessful but [he has been] such a great champion for so many years.
(特別な夜です。ノバクとは7年くらい対戦してきて、ずっと勝てませんでしたが、彼は長年にわたって本当に偉大なチャンピオンです。)
3回戦では、ムゼッティ選手を破ったワイルドカードのチョウ・イー選手と対戦します。
まとめ
- ポーランド・ヴロツワフ出身の29歳で、2024年8月に自己最高の世界6位を記録しました。ツアー8勝で、マスターズ1000はマイアミ2021と上海2023で優勝しています。
- 2021年のウィンブルドンではフェデラーさんを破ってベスト4に進みました。
- 2025年7月にひざの手術を受けて7か月離脱し、2026年1月のユナイテッドカップで復帰優勝。一度は103位まで落ちましたが、10月5日付で34位まで戻しています。
- ラケットはウイルソンのBLADE 98 16×19、ストリングはルキシロンの4Gとナチュラルガットのハイブリッド、シューズはアディダスのADIZERO UBERSONIC 5です。
ビッグサーブを取り戻したフルカチ選手が、トップ10に戻ってくる日が楽しみです。

















