アドリアン・マナリノ|超低テンション・元世界17位・使用ラケット

こんにちは。ツアーで最も低いテンションのストリングで知られ、2017年のジャパンオープンで準優勝したフランスのアドリアン・マナリノ選手。本記事では、基本プロフィール、主な戦績、日本とのつながり、プレースタイル、使用しているラケットやストリングのテンションを紹介します。

38歳になった2026年も年に30近い大会に出ていて、10月7日からの上海マスターズでは、2回戦で第6シードのコボッリ選手を破って3回戦に進みました。

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マナリノ選手の3行まとめ

  • フランス出身の38歳/左利き/自己最高17位(2024年1月)/ツアー5勝
  • 2017年のジャパンオープンで準優勝/2024年の全豪オープンでシェルトンを破って4回戦進出
  • ラケットはバボラのPURE AERO(中身は旧型のAERO PRO DRIVE)/ストリングはルキシロンのALU POWER(約21〜24ポンドの低テンション)

マナリノのプロフィール

項目 内容
名前 アドリアン・マナリノ
Adrian Mannarino
生年月日 1988年6月29日(38歳)
出身 フランス・ソワジ=スー=モンモランシー
身長 180cm
利き手 左利き・両手バックハンド
プロ転向 2004年
世界ランキング 83位(2026年10月5日付)
自己最高 17位(2024年1月29日付)
ツアー優勝 5回

パリ郊外のソワジ=スー=モンモランシーの出身で、父のフロランさんはテニスコーチです。ジュリアンさん、トマさん、モルガンさんの3人の兄弟とイリスさんという姉妹がいて、モルガンさんも下部大会に出ていた元選手です。5歳でテニスを始め、同じ左利きで元世界1位のマルセロ・リオスさんに憧れて育ちました。

得意なショットはボレーで、試合の前に対戦相手を知りたくないという、少し変わった習慣もあります。

主な戦績|35歳で年3勝、全豪オープン4回戦進出

2017年はジャパンオープン準優勝、2019年に念願のツアー初優勝

2017年はツアーの決勝に2度進み、6月のアンタルヤ(ATP250)と10月のジャパンオープン(ATP500)でどちらも準優勝でした。この年のウィンブルドンでは4回戦まで進み、ジョコビッチ選手に敗れました。

ツアー初優勝は2019年6月、芝のスヘルトーヘンボス(ATP250)です。決勝でトンプソン選手を7-6(7), 6-3で破りました。それまで決勝では何度も敗れてきましたが、30歳で念願の初優勝を果たしました。この年は秋の珠海(ATP250)とモスクワ(ATP250)でも決勝に進み、珠海はデミノー選手、モスクワはルブレフ選手に敗れて準優勝でした。

2021年ウィンブルドンのフェデラー戦は、2-1リードから転倒で棄権

2021年のウィンブルドン1回戦では、センターコートでフェデラーさんと対戦しました。セットカウント2-1とリードして第4セットを迎えましたが、ベースラインの後ろで足を滑らせて転倒し、右ひざを痛めて棄権しました。この日は自身の33歳の誕生日で、復帰までに8週間かかっています。

5年後の2026年のウィンブルドン前のインタビューで、本人はこう振り返っています。

I will never be able to play that match again. Even if people are trying to get your mood up, they're always telling you, 'You'll get your chance again'. But you're like, 'No, that chance is over. I will never be able to beat Roger on that day on that Centre Court. It's done'.

(あの試合はもう二度とできない。まわりは「またチャンスがあるよ」と励ましてくれるけど、「いや、あのチャンスは終わった。あの日のセンターコートでロジャーに勝つことは、もうできない。終わったんだ」という気持ちだった。)

フェデラーさんはその大会で準々決勝まで進み、フルカチ選手に敗れました。これがフェデラーさんの最後のウィンブルドンになっています。

2023年は35歳で年3勝、2024年1月に自己最高の17位

2022年8月のウィンストンセーラム(ATP250)の決勝でジェレ選手を7-6(1), 6-4で破り、3年ぶりの優勝を果たしました。

35歳になった2023年は、キャリアで最も優勝の多い年になりました。7月のニューポート(ATP250)の決勝でミケルセン選手を6-2, 6-4、9月のアスタナ(ATP250)の決勝でコルダ選手を4-6, 6-3, 6-2、11月のソフィア(ATP250)の決勝でドレイパー選手を7-6(6), 2-6, 6-3で破り、1年で3勝を挙げました。6月の芝のマヨルカ(ATP250)でも決勝に進み、ユーバンクス選手に1-6, 4-6で敗れていて、この年は計4度決勝に進みました。

2024年の全豪オープンでは、1回戦でバブリンカ選手、2回戦でムナル選手をどちらもフルセットで破り、3回戦では第16シードのシェルトン選手を7-6(4), 1-6, 6-7(2), 6-3, 6-4と、1-2から逆転して4回戦に進みました。4回戦ではジョコビッチ選手に0-6, 0-6, 3-6で敗れています。大会後の1月29日付で、自己最高の世界17位に上がりました。

ただしシーズン後半は勝てない時期が続き、年末にはニューカレドニアのチャレンジャーの1回戦で敗れ、年明けには順位が70位前後まで落ちました。

2025年は145位から全米オープン4回戦進出

2025年は3月に145位まで順位を落とし、チャレンジャーにも出ながら戦いました。7月の芝のニューポート(チャレンジャー)では決勝に進み、スバイダ選手に敗れて準優勝です。

全米オープンでは1回戦でグリークスプア選手、2回戦でトンプソン選手を破り、3回戦では第6シードのシェルトン選手と対戦しました。3-6, 6-3, 4-6, 6-4で2セットオールとなったところでシェルトン選手が左肩を痛めて棄権し、マナリノ選手が自身初の全米オープン4回戦に進みました。4回戦ではレヘチカ選手に敗れました。年末の順位は69位です。

2026年は38歳で年28大会に出場、モンペリエで決勝進出

2026年2月のモンペリエ(ATP250)では、2回戦でアンベール選手を6-7(4), 6-3, 7-6(4)で破るなど地元で勝ち上がり、キャリア16度目の決勝に進みました。決勝ではオジェ=アリアシム選手に3-6, 6-7(4)で敗れて準優勝です。

6月の芝のスヘルトーヘンボス(ATP250)ではベスト4に進み、6月29日付で40位まで戻しました。7月のワシントン(ATP500)では1回戦で第5シードのティエン選手を7-5, 6-4で破っています。9月の成都(ATP250)でもベスト8に進みました。

この年は9月初めの時点で28大会に出場していて、全米オープンに出た選手の中では男女を通じて最多と報じられました。本人はインタビューでその数字を聞かされ、こう答えています。

I've never paid attention. You know, if there's a tournament one week, I'm going. Why not?

(気にしたことがないよ。その週に大会があれば行く。それだけさ。)

10月5日付の世界ランキングは83位です。

日本とのつながり|2017年ジャパンオープンで準優勝、杉田祐一と3度対戦

マナリノ選手にとって日本は、ATP500で初めて決勝に進んだ場所です。2017年のジャパンオープンでは、準々決勝で杉田祐一さんを6-2, 6-4、準決勝で第2シードのチリッチ選手を6-7(5), 6-4, 6-0で破って決勝に進み、ゴフィン選手に3-6, 5-7で敗れて準優勝でした。

杉田さんとはこの年だけで3度対戦しています。6月のアンタルヤ(ATP250)決勝では杉田さんが6-1, 7-6(4)で勝ってツアー初優勝を決め、ウィンブルドンの2回戦ではマナリノ選手が6-1, 5-7, 4-6, 7-6(2), 6-2の逆転で勝ちました。

2019年のジャパンオープンにも出場し、1回戦でミルマンさんに敗れています。同じ年のインディアンウェルズ(マスターズ1000)2回戦では錦織圭選手と対戦し、4-6, 6-4, 6-7(4)と最終セットのタイブレークで敗れました。

西岡良仁選手とは2022年のダラス(ATP250)と2025年のバーミンガム(チャレンジャー)で対戦し、どちらもマナリノ選手が勝っています。2023年のトロント(マスターズ1000)では1回戦でダニエル太郎選手に6-7(5), 4-6で敗れ、2026年2月のアカプルコ(ATP500)でも1回戦で島袋将選手に3-6, 4-6で敗れました。

プレースタイルは相手のボールの勢いを利用したフラットなストローク

左利きで、テイクバックの小さいコンパクトなスイングからフラットなボールを打ちます。とくにフォアハンドは、その振り幅からは想像しにくいパワーがあります。自分からパワーで押すというより、相手のボールの勢いを利用してコースを変え、相手を嫌なポジションに追い込んでいきます。球足の速い室内のハードコートと芝で成績が良く、ツアー5勝はすべてハードか芝のコートで挙げています。

無地のTシャツに短い髪という飾らない見た目と、淡々とポイントを重ねるプレーで、ツアーの中でも独特の存在感がある選手です。

使用ラケットはバボラ PURE AERO

マナリノ選手はバボラと契約していて、ラケットの塗装はPURE AEROです。ただし中身は2013年ごろのAERO PRO DRIVEをベースにした個体とみられていて、2021年の取材では、ガットを張っていない状態で330gまで重くしていると本人が話していました。

PURE AERO(2026年モデル)のスペック

項目 スペック
フェイス面積 100平方インチ
重量 300g
バランス 320mm
フレーム厚 23.0-26.0-23.0mm
ストリングパターン 16×19

スペックは市販モデルの数値です。PURE AEROはバボラの中でスピンを重視したシリーズで、AERO PRO DRIVEはその前の名前にあたるモデルです。マナリノ選手の実機は、ガットを張っていない状態で市販モデルより30g重い330gです。

同じPURE AEROシリーズは、アルカラス選手やフィス選手も使っています。バボラを使うほかの選手は、シリーズ別にまとめた記事で紹介しています。

ストリングはルキシロン ALU POWER

マナリノ選手は、ストリングを非常に低いテンションで張ることで知られています。張っているのはルキシロンのポリエステルALU POWERで、2021年の時点で約24ポンド(11キロ)、2025年には約21ポンド(9.5キロ)と伝えられています。大会や気候によって変えるので、あくまでその時点の数字ですが、ATPトップ50の平均は約52ポンド(23.5キロ)なので半分以下です。

以前は約35ポンド(16〜17キロ)で張っていましたが、少しずつ下げてここまで来ました。テンションを下げるとボールが飛びやすく、球持ちが長くなります。ALU POWERはルキシロンの定番のポリで、多くのプロが使っているストリングです。

ウェアはフランスのCelio

長くウェアの契約がなく無地のTシャツでプレーしていましたが、2024年4月にフランスの男性向けアパレルCelio(セリオ)と契約しました。契約後も「Celio」の文字だけが入った無地のシャツで、見た目はそれまでとほとんど変わっていません。

上海マスターズ2026は第6シードのコボッリを破って3回戦へ

上海マスターズの1回戦は、6-3, 2-2の場面でバシラシビリ選手が棄権し、マナリノ選手が2回戦に進みました。

上海マスターズ2026の10月9日の2回戦で、マナリノ選手がコボッリ選手に6-1, 4-6, 6-3で勝ちました。第6シードのコボッリ選手を相手に、第1セットを6-1で先取し、最終セットを取り切っています。3回戦では、フェリー選手とのフルセットを制した第26シードのハチャノフ選手と対戦します。

まとめ

  • フランス出身の38歳の左利きで、2024年1月に自己最高の世界17位を記録し、ツアー5勝のうち3勝を35歳だった2023年に挙げました。
  • 2017年のジャパンオープンで準優勝し、2024年の全豪オープンではシェルトン選手を破って4回戦に進みました。
  • 2026年は38歳で年に30近い大会に出場し、モンペリエで決勝に進んでいます。
  • ラケットはバボラのPURE AEROの塗装で中身は旧型のAERO PRO DRIVE、ストリングはルキシロンのALU POWERを約21〜24ポンドという低いテンションで張っています。

38歳でも毎週のように大会に出続けるマナリノ選手の、低テンションから生まれる独特のテニスをぜひ見てみてください。

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