アンドレイ・ルブレフ|元世界5位・東京五輪金・使用ラケット

こんにちは。東京五輪の混合ダブルスで金メダルを獲得し、マスターズ1000で2勝、自己最高は世界5位のロシアのアンドレイ・ルブレフ選手。本記事では、基本プロフィール、主な戦績、日本人選手との対戦、使用しているラケットやシューズを紹介します。

10月7日からの上海マスターズには第23シードで出場しましたが、初戦の2回戦で予選から勝ち上がった坂本怜選手に敗れました。

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ルブレフ選手の3行まとめ

  • モスクワ出身の28歳/自己最高5位(2021年9月)/ツアー18勝
  • マスターズ1000はモンテカルロ2023とマドリード2024で優勝/東京五輪の混合ダブルスで金メダル
  • ラケットはHEADのGRAVITY PRO/ストリングはHEADのLYNX TOUR/シューズとウェアはK-SWISS

ルブレフのプロフィール

項目 内容
名前 アンドレイ・ルブレフ
Andrey Rublev
生年月日 1997年10月20日(28歳)
出身 ロシア・モスクワ
身長 188cm
利き手 右利き・両手バックハンド
プロ転向 2014年
世界ランキング 23位(2026年10月5日付)
自己最高 5位(2021年9月13日付)
ツアー優勝 18回
コーチ フェルナンド・ビセンテ、マラト・サフィン

国籍はロシアで、2022年3月以降は国旗を付けない中立の選手として大会に出場しています。父は元プロボクサーで、モスクワでレストランを経営しています。母のマリーナさんはモスクワのスパルタク・テニスクラブのコーチで、クルニコワさんを育てたことでも知られています。ルブレフ選手自身も2014年の全仏オープンでジュニアの部を制し、ジュニアの世界1位になりました。

18歳だった2016年からは、スペイン・バルセロナの4Slamテニスアカデミーを拠点にしています。ロシア語と英語に加えてスペイン語も話します。コーチはアカデミーで出会ったフェルナンド・ビセンテさんが長年務めていて、2025年4月からは元世界1位のマラト・サフィンさんも加わりました。

同じロシアのメドベージェフ選手とは親友で、メドベージェフ選手の長女アリサちゃんの名付け親(ゴッドファーザー)でもあります。2026年9月の杭州(ATP250)では2人の決勝が実現し、メドベージェフ選手が勝ちました。

恋人はテニス選手のアナスタシヤ・ホムトワさん

恋人は、ラトビア出身でモスクワ育ちのテニス選手、アナスタシヤ・ホムトワさんです。2016年に練習で出会ってから交際していて、ルブレフ選手の試合では客席でよく応援しています。結婚は発表されていません。モデルとコーチの仕事もしています。

主な戦績|マスターズ1000で2勝、四大大会はベスト8が10回

2020年に5勝、ATPファイナルズに初出場

2017年のウマグ(ATP250)でツアー初優勝を果たし、同じ年の全米オープンで四大大会初のベスト8に進みました。11月には21歳以下の選手で争うNext Gen ATPファイナルズで決勝に進み、チョン・ヒョン選手に敗れて準優勝です。

大きく飛躍したのは2020年です。年明けのドーハ(ATP250)とアデレード(ATP250)で続けて優勝すると、秋にはハンブルク(ATP500)、サンクトペテルブルク(ATP500)、ウィーン(ATP500)でも優勝し、この年だけで5勝を挙げました。2020年の5勝はツアーで最多です。全仏オープンと全米オープンでもベスト8に入り、ATPファイナルズに初めて出場しています。

2021年には自己最高の世界5位に上がり、ATPファイナルズには2020年から2024年まで5年続けて出場しました。最高成績は2022年のベスト4で、グループリーグでメドベージェフ選手とチチパス選手に勝っています。

四大大会は4大会すべてでベスト8

大会 ベスト8に入った年
全豪オープン 2021年、2023年、2024年
全仏オープン 2020年、2022年
ウィンブルドン 2023年
全米オープン 2017年、2020年、2022年、2023年

四大大会のベスト8は合計10回で、4大会すべてで準々決勝に進んでいます。ただし準決勝にはまだ一度も進めていません。2024年の全豪オープン4回戦では、デミノー選手にフルセットで勝ってツアー通算300勝に到達しました。

2021年は東京五輪で金メダル、ATPカップとデビスカップも優勝

2021年の東京五輪では、パブリュチェンコワ選手と組んだ混合ダブルスで金メダルを獲得しました。試合の詳しい内容は、下の「日本とのつながり」の節で紹介します。

同じ年の2月にはATPカップでロシア代表として優勝し、決勝ではフォニーニ選手を6-1, 6-2で破っています。11月のデビスカップ・ファイナルズでも準々決勝から決勝までシングルス3試合に勝ち、ロシアの優勝に貢献しました。

マスターズ1000は2023年モンテカルロと2024年マドリードで優勝

マスターズ1000の初優勝は2023年4月のモンテカルロです。準々決勝でシュトルフ選手、準決勝でフリッツ選手を破り、決勝ではルーネ選手を5-7, 6-2, 7-5の逆転で下しました。

2024年4月のマドリードでは、準々決勝で当時世界3位のアルカラス選手を4-6, 6-3, 6-2で破って決勝に進み、決勝ではオジェ=アリアシム選手に4-6, 7-5, 7-5の逆転で勝って優勝しました。大会中はずっと熱があり、ほとんど眠れないまま優勝を果たし、試合後にはこう話しています。

I would say this is the most proud title of my career. I was almost dead every day. I was not sleeping at night.

(キャリアでいちばん誇れるタイトルだと思う。毎日死にそうだったし、夜は眠れなかった。)

マスターズ1000では、優勝した2大会のほかにも2021年のモンテカルロとシンシナティ、2023年の上海、2024年のモントリオールで決勝に進んでいて、決勝進出は合計6回です。2023年の上海では、決勝でフルカチ選手に3-6, 6-3, 6-7(8)と最終セットのタイブレークで敗れました。

2024年のどん底から、サフィンさんと再出発

ルブレフ選手は数年前から精神的な不調と向き合ってきました。2024年は2月のドバイ(ATP500)準決勝で線審に怒鳴って失格になり、8月には「何年も抑うつと闘ってきた。今季は自分をコントロールできなくなって爆発するようになった」と明かしています。最も苦しかったのはウィンブルドンの1回戦でコメサーニャ選手に敗れたあとで、2025年1月のインタビューでは、生きる理由が見えず、頭の中の考えに追い詰められていたと振り返りました。抗うつ薬も効かずにやめ、サフィンさんと何度も話をして、心理の専門家との取り組みを始めたことで、少しずつ抜け出したと話しています。

2025年2月のドーハ(ATP500)では、準々決勝でデミノー選手、準決勝でオジェ=アリアシム選手を破り、決勝でドレイパー選手を7-5, 5-7, 6-1で下して17勝目を挙げました。4月にはサフィンさんが正式にコーチ陣に加わっています。

サフィンさんとは、フォアハンドで押し切る従来のテニスに加えて、ネットに出て攻める戦い方も磨いています。2026年5月のローマ(マスターズ1000)では、準々決勝でシナー選手と対戦し、2-6, 4-6で敗れています。

2026年はバスタードで優勝、バルセロナと杭州で準優勝

2026年は2月のドーハ(ATP500)とドバイ(ATP500)で続けてベスト4に入り、4月のバルセロナ(ATP500)では決勝に進みましたが、フィス選手に2-6, 6-7(2)で敗れて準優勝でした。全仏オープンでは4回戦でメンシク選手にフルセットの末に敗れています。

7月のバスタード(ATP250)では、決勝で前回王者のダルデリ選手を6-4, 6-3で破って優勝しました。2023年に続く2度目の優勝で、2025年2月のドーハ以来、約17か月ぶりのツアー18勝目です。試合後にはこう話しています。

I feel great. To be able to win here for a second time is a special feeling. I can't say much because I just finished my match and I'm still feeling the adrenaline.

(最高の気分だよ。ここで2度目の優勝ができたのは特別な気持ちだ。試合が終わったばかりでまだアドレナリンが出ているから、多くは話せないけどね。)

9月の杭州(ATP250)では決勝に進み、親友のメドベージェフ選手に5-7, 4-6で敗れて準優勝でした。続く北京(ATP500)でもベスト8に進んでいます。ランキングは1月に15位で始まり、4月に12位まで上がりましたが、10月5日付では23位です。

日本とのつながり|東京五輪の金メダルと、錦織・西岡との対戦

2021年の東京五輪では、シングルス1回戦で錦織圭選手に3-6, 4-6で敗れましたが、パブリュチェンコワ選手と組んだ混合ダブルスで金メダルを獲得しました。決勝は同じロシアのベスニナ/カラツェフ組との対戦で、6-3, 6-7(5), [13-11]のマッチタイブレークまでもつれる接戦でした。錦織選手とは2018年のシンシナティ(マスターズ1000)1回戦でも対戦していて、こちらも錦織選手が7-5, 6-3で勝っています。

西岡良仁選手とは6度対戦していて、3勝3敗の五分です。2019年のシドニー(ATP250)では西岡選手が6-3, 6-1で勝ち、2022年のワシントン(ATP500)準決勝でも西岡選手が6-3, 6-4で勝って決勝に進みました。2025年の上海マスターズ2回戦でも、西岡選手が2-6, 6-1, 6-4の逆転で勝っています。

ジャパンオープンには、これまで出場したことがありません。

プレースタイルは重いフォアハンドを軸にした攻撃的なストローク

最大の武器は、ベースラインから打ち込む強烈なフォアハンドです。回転量の多い重いボールを相手のバックハンド側に集めて、コートの内側に入りながら押し込んでいきます。バックハンドも両手でしっかり振り切るタイプで、ラリーのテンポが速いのが特徴です。

「ブエッ」と聞こえる独特のかけ声でも知られていて、感情を表に出すタイプです。2024年のウィンブルドン1回戦では、思いどおりにいかずにラケットで自分のひざを何度も叩いてしまい、大きく報じられました。サフィンさんと組んでからは、こうした気持ちの波を抑えることと、ネットプレーを増やすことに取り組んでいます。

使用ラケットはHEAD GRAVITY PRO

ルブレフ選手が使っているのは、HEADのGRAVITY PROです。ジュニア時代からウイルソンのSIX.ONE 95を使っていましたが、2020年から黒塗りのGRAVITY PROを使い始め、2021年4月のモンテカルロからHEADの正式な塗装でプレーしています。

GRAVITY PRO(2025年モデル)のスペック

項目 スペック
フェイス面積 100平方インチ
重量 315g
バランス 310mm
フレーム厚 20.0-20.0-20.0mm
ストリングパターン 18×20

スペックは市販モデルの数値です。GRAVITYは、ティアドロップ型で上部が膨らんだフレームが特徴のシリーズで、面の安定性が高く、スピンをかけながら狙ったコースに打って攻めたい方にピッタリです。GRAVITY PROはその中でフレームが20mmと最も薄く、一般的な16×19に対して18×20とストリングの目が細かい競技モデルです。

試合で使っている個体は、市販モデルをベースにしたプロストックで、2020年の計測ではガットを張った状態で365g、バランス310mm、振ったときの重さを表すスイングウェイトは341でした。市販モデルよりかなり重くしたラケットです。

同じGRAVITYシリーズは、ズベレフ選手も使っています。HEADを使うほかの選手は、シリーズ別にまとめた記事で紹介しています。

ストリングはHEAD LYNX TOUR

ストリングは、HEADのポリエステルLYNX TOURです。2026年7月のバスタードでは1.30mmのLYNX TOURを縦約57ポンド(26キロ)、横約55ポンド(25キロ)で張っていました。大会や気候によって変えるので、あくまでその時点の数字です。2026年の前半にはルキシロンの4Gを使っていた時期もあり、HEADに移った当初から長く使っていたのはルキシロンのADRENALINEでした。

LYNX TOURは断面が六角形のストリングで、柔らかさとタッチが持ち味のHAWK TOUCHに対して、スピンとコントロールを重視した位置づけです。

シューズとウェアはK-SWISS、自身のブランドRubloも展開

シューズとウェアはK-SWISSです。2022年まではナイキを着ていましたが、ナイキがロシアでの事業を終えたことで契約が終わり、2023年に自身のブランドRublo(ルブロ)を立ち上げました。2024年8月にK-SWISSと複数年契約を結び、Rubloとのコラボのウェアを着てプレーしています。

シューズは2025年に発売された本人のシグネチャーモデルK-FRAME SPEED RUBLOで、前足部を補強するTPUのフレームと、反発の強いクッションが特徴です。日本では発売されていません。

上海マスターズ2026は2回戦で坂本怜に敗退

10月7日からの上海マスターズには第23シードで出場し、1回戦は免除で2回戦からの登場でした。相手は、予選から勝ち上がって1回戦でトゥルンゲリティ選手を破った坂本怜選手で、2人の対戦はこれが初めてでした。

上海マスターズ2026の10月9日の2回戦で、ルブレフ選手は坂本選手に4-6, 4-6で敗れました。試合時間は1時間22分で、上海の初戦で姿を消しています。

上海では2023年に決勝に進んでいて、2025年は2回戦で西岡選手に敗れています。

まとめ

  • モスクワ出身の28歳で、2021年9月に自己最高の世界5位を記録しました。ツアー18勝で、マスターズ1000はモンテカルロ2023とマドリード2024で優勝しています。
  • 四大大会は4大会すべてでベスト8に入っていますが、準決勝にはまだ進んでいません。
  • 2021年の東京五輪では、混合ダブルスで金メダルを獲得しました。
  • 数年にわたる精神的な不調から、2025年にサフィンさんをコーチに迎えて再出発し、2026年はバスタードで優勝しました。
  • ラケットはHEADのGRAVITY PRO、ストリングはHEADのLYNX TOUR、シューズとウェアはK-SWISSです。

重いフォアハンドで打ち合いを支配してきたルブレフ選手が、ネットプレーを加えた新しいテニスで四大大会のベスト4の壁を越えられるか注目です。

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